みんなを笑顔にする ゆめぎんが★ウーたん出生の秘密
みるみるうちにできる人だかり。その中心にいるのは黄色いキャラクター。館内で流れるテーマソング「ゆめぎんが ウ~たん♪」に合わせて体を左右に振りながら愛嬌を振りまく。「あっ、ウーたんだ。かわいい」。子どもたちが駆け寄り抱きつく。たちまち写真撮影の行列ができ、館内がにぎやかになる。
「ウーたん」の本名は佐賀県立宇宙科学館の愛称を冠した「ゆめぎんが★ウーたん」。科学館と同じ7月7日生まれ。小惑星ゆめぎんがからやってきた。恐竜がベースのいでたちに、背中には太陽系の惑星が並ぶ。頭のてっぺんの赤い太陽から水星、地球は青く、土星の環も細かく表現している。好きなものは佐賀の豊かな自然・おいしい食べもの、プラネタリウム、コンペイトウ。そしてキラキラ輝く夢が大好き。角でみんなの夢をキャッチしてポシェットへ。夢がたくさん集まったらコンペイトウに変わる。嬉しくなると、しっぽを左右に振って辺りに星をまき散らす。
ウーたんの出生の秘密は誕生から6年さかのぼる。2009年に開館10周年を迎えた宇宙科学館は記念事業として、小惑星番号12746に愛称の「ゆめぎんが」と名付けた。この小惑星は小惑星ハンターとして有名な渡辺和郎さんが1992年に北海道北見市で発見、太陽からおよそ2天文単位離れた軌道を公転周期3.3482年で回る。この年、国際天文学連盟に正式に名称として採用された。
(写真はずっしり重い小惑星ゆめぎんがの命名板)
その小惑星「ゆめぎんが」を名前につけたのが2015年に科学館にやってきた「ゆめぎんが★ウーたん」である。
混雑する館内でウーたんが現れると来館者の表情がみるみるうちになごみ、場の雰囲気をやわらぐ。引きも切らない写真待ちの列に、ウーたんのぬいぐるみを抱いて来る子どももいて、着ぐるみとスリーショットなどほほえましい光景が広がる。
宇宙科学館は地域連携活動にも力を入れている。館内での七夕会やクリスマス会での地域の方々との交流会の場に加え、ウーたんを伴って地域のイベントにも積極的に出かける。西九州新幹線の乗り換え駅となる武雄温泉駅は開業2年目を迎え、武雄市内への観光客の呼び込みに力を入れている。2024年4月、初めて駅前で開かれた「学びの武雄ミニ博」では、ワークショップ出店と合わせ、ウーたんが出演。合唱やマジックショーなどのステージイベントのわきで踊るなどイベントを盛り上げた。
また、武雄温泉駅と長崎駅を結ぶJR九州の観光列車「ふたつ星4047」はホームでの地元の人たちのおもてなしや特産品販売が売りの一つ。昨年9月には武雄温泉駅の出発の際、園児らに交じってウーたんもお見送りに参加。乗客の求めに応じてポーズを取るなど、武雄温泉駅でご当地キャラとしての役割も果たしている。
宇宙科学館のマスコットキャラクターとしてウーたんの認知度が上がり、人気キャラクターとしての地位を固めつつあることで、地域イベントにもお声が掛かるようになった。地域にも集客のための役割を期待されている。ウーたんの周りにできる微笑ましい空気は、お客様のみならず、スタッフまでもが癒されて笑顔になる。愛される宇宙科学館を象徴するキャラクターにみんなから育ててもらってきたウーたん。
宇宙科学館の中で大好きな散歩をしている好奇心旺盛なウーたんに会ったら、一緒に写真撮ってね。
これからもよろしくおねがいします!!