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*** ポリボトル用のポンプの巻 (4) ***

22.上部と下部の弁(吐出弁と吸水弁)がポンプ理解のポイント!



ポンプの仕組みを理解するポイントは上部と下部にある2つの弁でしょう。
<<左側の絵>>
レバー(ノズル)を押すとピストンが下がりポンプ容器の圧力が高くなります。そうすると、下側の弁(吸水弁)はポンプ容器から押されて閉じることになります。一方、上側の弁(吐出弁)はポンプ容器から押されると開くことになり、これに伴い、中の液体は上に押し上げられます
<<右側の絵>>
tにレバー(ノズル)が上に戻る時には、ピストンが上にあがることにより、ポンプ容器の圧力が下がります。これに伴い、下側の弁(吸水弁)「開」、上側の弁(吐出弁)は「閉」となり、容器フ下にある液体はポンプ容器の中へあがります(汲み上げられます)

ポリボトル用のポンプの分解を終えて

シャンプーやリンス、ボディシャンプーなどは身近なものです。使い捨てに近い形で使われる安価なポンプがどんな仕組みなのかを見るため分解をしてみました。当然のことながら、それほど高価と思える部品は使われていませんでした。鋼球(鉄のボール)を弁として使うのはうまい工夫だと思います。ボールの重さで液体が逆流しない弁(吐出弁)としての役目を果たします。
ノコギリなどの刃物が必要ですので、少し手間はかかりますが、なかなかおもしろい「ものこわし」でした。

2つの弁を巧みに利用
ピストンが上がり下がりするときに逆向きに働く2つの弁を利用してピストンの動きにあわせてボトルの下から液体を上側に汲み上げる様に工夫されています。ピストンが動くことで、ポンプ室の圧力が高くなればノズルから吐出し、ポンプ室の圧力が下がれば下から液体を汲み上げるように工夫されています。

上部は鋼球の弁(吐出弁)、下部はプラスチックの弁(吸水弁)
このボトルに使われている弁は上側が、鋼球で下側がプラスチックのものでした。種々のポンプを見てみましたが、ポンプによっては、下の弁にも鋼球が使われているケースがありました。

液体の粘度で弁を使い分け?
たぶん液体の粘度によって使い分けられているのではないかと思います。比較的サラサラした液体用のポンプには鋼球が使われているようです。粘度が高いと鋼球では「閉」の状態がうまく働かないのかもしれないなという印象です。

プラスチックの弁の上側の形状の役割は不明
プラスチックの弁(吸水弁)の上側の形状は何のためなのか分かりませんでした。何かの必然性があって、あのような複雑な形状となっているのでしょうが、分解しただけでは分かりませんでした。

完全に理解できなくても・・・
「ものこわし」をしても実際には使われている技術や工夫を完全に理解出来るわけではありません。しかしながら、中味を見てみよう(ブラックボックスを開けてみよう)とすることが重要だと思っています。ブラックボックスは魔法で出来ているわけではありません。誰かが考え工夫した努力の結晶として出来上がっているのです。はじめから分からないだろうと諦めるのではなく、中に込められたアイディアや工夫、努力の跡を探してみてはどうでしょうか?

分解すると何かを感じます・・・
分解してみると何かを感じます。それが重要だと思います。多くを期待しなくても十分に楽しめるのが「ものこわし」です。捨てるようなものがあれば、捨てる前に「ものこわし」に挑戦することをおすすめします。
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