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*** サハラ砂漠の砂 ***

小さな砂も虫メガネで拡大してみると意外な姿が・・・
砂はあまりに身近な存在なのでじっくり眺める機会は少ないでしょう。しかし虫メガネでのぞいてみると意外な姿が見えてきます。
沖縄の星砂は有名ですね。星砂はバキロジプシナという有孔虫の殻が波などで砂浜にうちあげられて集まったものだそうです。有孔虫は単細胞生物で,その体の一部にカルシウムで出来た骨格を持ち,それが化石となって残っているのだそうです。岩石が小さく砕かれたわけではなく星砂は生物由来の砂。星の形をしたなかなかかわいい砂です。


沖縄の星砂


星砂は有孔虫の殻
沖縄の星砂は有孔虫の骨格が波などで砂浜にうちあげられて集まったものだそうです。岩石が小さく砕かれたわけではなく星砂は生物から出来上がった砂。星の形がかわいいですね。
写真の下部の数字の目盛りは1mmです(目盛りの線は0.2mm間隔で引かれています)ので星砂の直径は1mm程度だということが分かります。

下の写真・・・、石英(水晶)の丸い粒。これがサハラ砂漠の砂です!
宝石のようなきれいな粒だと思いませんか? これがサハラ砂漠の砂です。これは生物由来ではなく鉱物で出来た砂です。ほとんどが石英です。

サハラ砂漠の砂(マリ共和国の首都バマコの東北東約1500Km、キダル付近で採取)

サハラ砂漠の砂は石英
写真の様にサハラの砂は角が取れて丸いことがよく分かります。下にものさしを置いて撮影しましたので、粒の大きさが分かると思います。大部分が直径が1mm以下です。大部分が石英で出来たきれいな砂です。

*石英(せきえい Quartz ):
二酸化ケイ素(SiO2)が結晶してでできた鉱物。結晶しやすく、六角柱状のきれいな自形結晶をなすことが多い。結晶度が高い石英を水晶と呼ぶことがある。また、石英を成分とする砂は 珪砂(けいしゃ・けいさ)と呼ばれ、石英を主体とした珪化物からなる岩石は珪石(けいせき)と呼ばれる。石英は主要な造岩鉱物であり、花崗岩などの火成岩に多く含まれる。
<出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』http://ja.wikipedia.org/wiki/石英>

更に拡大すると・・・。 宝石のようにきれいな粒ですね


温度差、風の作用で角が取れて・・・
長い間に岩石が温度差等で砕かれ、更にそれが長い長い時間、風に吹かれてお互いにぶつかったり動かされたりするうちにこんなきれいな粒になったのでしょう。角が取れて、丸いきれいな姿になっています。ほとんどが石英の丸い粒です。
砂の採取地:マリ共和国
マリ共和国と聞いてもどこにあるのか知っている人は少ないかもしれません。マリは、サハラ砂漠の南の縁に位置する国です。アルジェリアの下(南)に位置します。
サハラ砂漠と聞くと果てしない砂の海を想像するかもしれません。そんな所もあるのでしょうが私が体験したサハラ砂漠はゴツゴツした荒れた場所が多く必ずしも砂の海という印象とはだいぶ違っていました。見渡す限り砂ばかりという場所を目にする機会はありませんでしたが随所に砂丘とでも呼ぶ砂に覆われた場所はありました。そのようなところで採取した砂です。サハラ砂漠の砂は目を近づけて見ると素晴らしいものでした。沖縄の星砂は生物由来の砂ですがサハラ砂漠の砂は岩が温度変化や風の作用で作られた石英の丸い粒なのです。

サハラ砂漠の南端に位置する国 マリ共和国の首都バマコ




マリ共和国の首都バマコのホテルからニジェール川を望む
砂を採取したのはバマコの東北東約1500Kmのキダルという町(もちろん町という印象のところではありません。深い井戸のまわりに人が住んでいるという程度の場所です)の近くです。
首都のバマコはニジェール川の川岸の町で砂漠という印象の場所ではありません。元のフランスの植民地で現地のいくつかの言葉の他にフランス語が公用語として使われています。

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