見えないものを見る工夫
=顕微鏡の考案(3)= アマチュアの工夫が科学へ大きな貢献
オランダのアマチュア科学者レーヴェンフック(Antonie van Leewenhoek 1632-1723) は自作の単眼式顕微鏡で種々のミクロ世界の貴重な新発見を行いました。 彼の顕微鏡は小さな単一レンズを使ったシンプルな顕微鏡でしたが、当時の腹式顕微鏡の性能をはるかに凌駕する40〜270倍の倍率を達成していたと考えられています。結果的にレーヴェンフックの単眼式の顕微鏡は1730年代にChester More Hallが違う種類のガラスを組み合わせることで色収差を消すことを発見しそれが更に製品化される1800年代の初め頃までクリアで倍率の高い顕微鏡でした。 レーヴェンフックは、人の赤血球、精子、単細胞のバクテリア等、多くの貴重な発見をしました。 。 レーヴェンフック(Leewenhoek)の顕微鏡 レーヴェンフックはガラスビーズのような球形のレンズを使い、単純ですが極めて実用的な顕微鏡を考案しました。彼は科学的な教育をほとんど受けていない人で、科学を趣味としたアマチュアの科学者でしたがミクロの世界の探検、顕微鏡の世界に大きな貢献をしました。 レーヴェンフックは、2枚の真鍮の板に小さな穴を開け、そこに小さなビーズ状のガラス玉(球形のレンズ)を埋め込みました。これは画期的な工夫で、当時のレンズを組み合わせた高価な顕微鏡の性能をはるかに凌駕する性能を持っていました。 レーヴェン フックの顕微鏡の複製 (浜野顕微鏡所蔵)レンズを組み合わせると拡大率は高くなりますが、レンズの色収差や球面収差の問題が発生して、もっと後の時代になって出てくる工夫なしにはあまり良質の拡大画像を得ることは出来ませんでした。レーヴェンフックは、2枚の真鍮の板に小さな穴を開け、そこに小さなビーズ状のガラス玉(球形のレンズ)を埋め込みました。これは画期的な工夫で、当時のレンズを組み合わせた高価な顕微鏡の性能をはるかに凌駕する200倍以上の倍率で観察することが出来る優れものでした。 観察対象物は穴の前にある細い針の上にセットし、裏側から明るい空に向けて覗き込んで観察します。針の上にセットした観察対象物はネジを回して位置を微調節して観察します。 1673年:人の赤血球発見 1676年:精子、バクテリアを発見 1688年:イースト菌を発見 |