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*** 水の流れを利用する工夫 ***

          水の流れを磁器の原料つくり(粉砕)に利用


水の流れの利用は必ずしも水車のように回転運動としての利用だけではありません。伊万里焼/有田焼は磁器として有名ですが磁器の原料となる磁石(じせき)を粉にするためにかつては唐臼(からうす)と呼ばれる装置が数多く使われていました。
唐臼は、鹿威し(しおどしし)のようにシーソーの片側に水を注ぐことで杵を持ち上げ、臼の中に入れた磁石と呼ばれる磁器を作るための原料を細かく粉砕しました。
これは鍋島藩窯のあった佐賀県伊万里市の大川内山というところで使われていた「唐臼(からうす)」です。現在は実用に使われていませんが、往時には川沿いにこのような唐臼が並び、磁石を砕く杵音が響いていたのだそうです。


  唐臼(からうす)。焼き物つくりにも水の力を利p
  (佐賀県伊万里市大川内山)



  磁石(じせき)を粉にして磁器の原料にします


水の流れのエネルギーの利用は水車による回転運動の利用だけでなく、このような鹿威し(ししおどし)風の利用もありました。このほか水撃ポンプと呼ばれるウオーターハンマーを利用して水の流れのエネルギーだけを使って揚水水車などで考えられない高さまで水を揚げるようなものもあります。
工夫やアイディアによって電気やエンジンなどの無い時代にもいろいろなことが出来ました。先人の知恵の素晴らしさを振り返ってみるのもおもしろいのではないでしょうか?

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